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潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎とは潰瘍性大腸炎は、発症する原因が不明で難病に指定されています。治療方法も確立されていないのが現状で、同じように難病指定されている病気は300以上あります。
潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜に長い間炎症が生じることで潰瘍ができる病気です。これまでは炎症が連続して起こることが多かったのですが、近年では連続した炎症が発生しない症例も出ています。
重症化によって大腸の摘出をしなければならない場合、小腸と肛門を繋ぐ手術や透析が必要になります。
さらに悪化することで血便が何度も出たり、大腸がんになったりする恐れもあるため、早めに病院を受診して治療を受けることが重要です。

潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは?

潰瘍性大腸炎とクローン病はどちらも難病指定されている炎症性腸疾患です。しかし、主な症状や発症する年齢が異なります。
潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜に連続して炎症が拡大する病気です。クローン病は口から肛門までにある全消化菅に線維化や潰瘍が生じる病気で、病変が至るところに発生するのが特徴です。クローン病になると、腹痛、下痢などのお腹の不調の他に、関節炎、口内炎、痔ろう、目の腫れや充血といった症状が現れる場合もあります。
潰瘍性大腸炎は、男性・女性ともに10~40代くらいの様々な年齢層の方がかかりやすい病気ですが、クローン病は特に10代後半~20代くらいの男性が発症しやすいとされています。

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潰瘍性大腸炎の原因

潰瘍性大腸炎の原因は今のところ分かっておりません。食生活や生活習慣、腸内細菌、自己免疫の異常が影響するとされていますが、遺伝子因子にも関係があると言われています。さらに家族でかかったことがある方がいると発症しやすいとされているため、これらの環境因子が重なることで発症する可能性があると言われています。

 

潰瘍性大腸炎に初期症状はある?症状チェックリスト

潰瘍性大腸炎に初期症状はある?症状チェックリスト
  • 下腹部の違和感
  • 粘液や血が混じった便が出る
  • 腹痛
  • 体重減少
  • 下痢、軟便、便秘(便秘はほとんど起こりません)
  • 発熱

特に下痢や血便を何度も繰り返す傾向にあります。潰瘍性大腸炎の初期症状は下痢と血便が多く、痔と勘違いしてしまう方もいるので、自分で判断しないで異常が起きたら病院を受診しましょう。下痢で1日に20回以上トイレに行かないといけない場合、病状が悪化している恐れがあります。さらに悪化すると腹痛、貧血、発熱、体重減少といった症状が起こります。合併症は腸管以外にも、膵臓、眼、関節、皮膚に異常が現れる可能性があります。

潰瘍性大腸炎の検査と診断

潰瘍性大腸炎の検査と診断はじめに普段の症状をお伺いした後に、血液検査を行います。発熱、下痢、血便は感染性腸炎でも同様の症状が起こるため、正しい診断を受けることが大切です。潰瘍性大腸炎の疑いが強い場合、大腸カメラ検査で炎症の範囲や疾患の疑いがある病変の組織を生検で検査していき、適切な診断に繋げます。
当院では鎮痛剤や鎮静剤を使用しているので、患者様の負担を軽減しながら検査を行うことが可能です。検査をご希望の方はお早めに当院までお問い合わせください。

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潰瘍性大腸炎の治療

薬物療法を中心に広がった炎症を抑えていきます。粘膜に生じた炎症が治まって寛解期と呼ばれる状態まで改善したら、再発を防ぎつつ、良い状態をそのまま保っていきます。

薬物療法

症状が悪くならないように管理しながら、粘膜の炎症をなくしていきます。炎症がまた起きないように予防することも必要なため、副腎皮質ステロイド薬、5-ASA製薬、免疫抑制薬・免疫調整薬、抗TNFα受容体拮抗薬といったお薬を使っていきます。
副腎皮質ステロイド薬は炎症を抑える効果を十分に得られるお薬ですが、再燃は防ぐことができません。5-ASA製薬であれば、再燃を防ぐことができ、炎症の改善も期待できます。
医師の指示に従って最後まで服用を続け、自分の判断でお薬の服用を調整するのはお控え下さい。

外科的治療

外科手術は、薬物療法では治療できないほど重症の方、穿孔や出血が多い方、がん化した可能性がある方に行う治療です。大腸を全部取り出し、便を小腸に溜まるようにして肛門と繋げていく方法が積極的に行われており、肛門の機能はそのまま残せます。

潰瘍性大腸炎に
なったときの食事

食事は、活動期と寛解期の状態によって決めていきます。

活動期の場合

活動期は、高エネルギー、低脂肪、高たんぱく、低食物繊維などが含まれる消化の良いお食事をお召し上がり下さい。
脂っこいものや脂肪分が多いもの、油が多く使われるものはお控えください。
他にも、飲酒、炭酸飲料、冷たい飲み物、コーヒー、辛いものや香辛料が多く使われているものはお控えください。

寛解期の場合

栄養バランスの整った食事をお召し上がりください。厳しい食事制限はありません。
ただし、食べ過ぎや飲み過ぎは控えて頂き、辛いものや香辛料が多い食事は少なめにしてください。
少しのお酒、薄めのコーヒーはお飲み頂けますが、カフェインはできるだけお控えください。