肝臓の「精密検査」とは具体的に何をする? 検査内容と流れ、放置するリスクを解説
肝臓の「精密検査」とは具体的に何をする?
検査内容と流れ、放置するリスクを解説
健康診断で「肝機能異常」を指摘され、「要精密検査」という結果を受け取った方から、「精密検査って、いったい何をするの?」「痛い検査や時間がかかる検査なのでは?」とご不安の声を伺うことがあります。
「精密検査」と聞くと大掛かりなものを想像されるかもしれませんが、肝臓の精密検査の多くは、体に負担の少ないものから行います。
今回は、肝臓の精密検査の内容と、それで何がわかるのかを解説します。
■ なぜ「精密検査」が必要なのか?
健康診断の血液検査(AST, ALT, γ-GTPなど)だけでわかるのは、「肝臓に負担がかかっている」という事実だけです。
精密検査の目的は、
「なぜ」負担がかかっているのか(原因の特定:脂肪肝? ウイルス? アルコール?)
「今、肝臓がどのような状態か」(進行度の確認:脂肪の蓄積具合、肝臓の硬さ、腫瘍の有無など)
を調べることです。
■ 肝臓の精密検査:具体的な内容
当院をはじめ、多くの内科・消化器内科クリニックで行う主な精密検査は以下の2つです。
① 詳細な血液検査
健康診断よりも詳しい項目を調べます。
ウイルス性肝炎のチェック: B型肝炎ウイルス(HBs抗原)、C型肝炎ウイルス(HCV抗体)の有無を調べます。これらは慢性肝炎の原因となります。
肝臓の線維化マーカー: 肝臓が硬くなっていく(線維化)の程度を、血液検査である程度推測します。
その他、自己免疫性肝炎など特殊な病気がないかもチェックします。
② 腹部超音波検査(エコー検査)
肝臓の精密検査において、非常に重要で中心的な検査です。
お腹にゼリーを塗り、プローブ(探子)を当てるだけで、痛みや被ばくは一切ありません。その場でモニターに肝臓の状態が映し出されます。
【腹部エコー検査でわかること】
脂肪肝の程度: 脂肪が溜まった肝臓は、エコーで白っぽく(明るく)映ります。正常な腎臓とのコントラストで、脂肪の蓄積度がわかります。
肝臓の形や大きさ: 慢性的な炎症で肝臓が変形していないか、腫れていないかを見ます。
肝硬変の兆候: 進行すると肝臓の表面がゴツゴツと凹凸してきたり、辺縁が丸みを帯びたりします。
「できもの」の有無: 肝臓がん、肝血管腫(良性)、肝のう胞(水の袋)などがないかをチェックします。
胆のう・胆管・膵臓・腎臓のチェック: 肝臓の周囲にある臓器も同時に観察し、胆石や膵臓の異常などがないかも確認します。
■ 検査を受けて、早期治療へ
これらの精密検査によって、「お酒を飲まないけれど、脂肪肝がかなり進んでいる」や「数値は高いが、エコーではまだ大きな異常はない」といった具体的な状態がわかります。
原因と状態がわかれば、すぐに治療(多くは生活習慣の改善指導や内服薬の開始)に進むことができます。
当院では、福井県越前市および近隣(鯖江市、南越前町など)にお住まいの方のこの腹部超音波検査(エコー検査)を実施しております。
「精密検査」は、決して怖いものではありません。ご自身の肝臓の状態を正確に知るための第一歩です。
健康診断で「要精密検査」の通知が届いたら、安心してご相談ください。
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